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2010年02月04日

「天顕祭」の白井弓子が描く、遠い未来に生まれた「妊婦による特殊部隊」の物語! 1巻目の「WOMBS/白井弓子」


WOMBS(1)/白井弓子

オススメ度:★★★★☆
俺これ好き度:●●●●○
万人向け度:◆◆◇◇◇
マニアック度:■■■■□
 

移民同士が20年に渡り苛烈な戦争を繰り広げる惑星、碧王星。
ごく普通の農家の娘であったマナ・オーガは召集令状を受け取り、「転送兵」として新兵訓練に務めることとなる。
転送兵とは、妊娠しているメスの個体だけが転送能力を持つという碧王星の現地生物・「ニーバス」の、その体組織を子宮に移植し、胎内で育てることにより人間でありながら転送能力を身につけるという、ハスト国女性兵のことである。
転送兵としての訓練を続けながらも、悪化してゆく戦況から否応なく経験不足なマナ達も戦場へと駆り出されることになる、という物語。 

 
未来SFであると同時に戦記物であり、そこに本来もっともそぐわないような、「女性による妊婦兵」というモチーフをあてがうことで、酷薄な戦争と女性たちの母性を同時に描くストーリー。
異形の生物の一部を子宮に宿すことで特別な能力を得る女性たち、というアイディアも特徴的ですが、それをわざわざ未来世界の戦争ドラマの中でやってしまうという意欲作。

SF、戦記ドラマとしての世界観や設定等もかなり丁寧に作りこまれてます。
断片的に見えてくる戦争の全容と国家間の対立、そして転送兵の歴史が、静かに悲惨さをあぶり出し、主人公であるマナの運命にいやでも悲劇を予感させられ、話の緊迫感がぐっと増しております。
そして「飛ぶ」という能力を身につけたマナ自身の体験が、女性として、兵士として、そして「転送兵」の持つ実情を描き出し、これまで見たこともないような戦記SFを見せてくれるのですな。

戦争と兵士、上官と部下、碧王星という惑星の謎、移民の歴史、転送兵の運命、そのそれぞれにドラマがあり、絡み合い、実に多様で複雑に入り組んだ話を紡ぎ出す作品。
SFとして、戦記ものとしての下地も充分に面白く、そのうえで「転送兵」の存在が目をひく漫画。
とりあえずこの1巻目だけでも読んでみないと、この面白さは伝えにくいなぁ。
(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちら)

投稿者 bird_chief : 2010年02月04日 23:08

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