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2008年01月08日
1巻目の「黒博物館スプリンガルド/藤田和日郎」

「黒博物館スプリンガルド」/藤田和日郎
全1巻
オススメ度:★★★★☆
俺これ好き度:●●●●○
(ひょうたん書店通販ページ)
19世紀のイギリスで実際にあった都市伝説事件「バネ足ジャック」をモチーフに、藤田和日郎の強みが存分に発揮されたアドベンチャー活劇となっております。この1冊は読みきり中篇連作ではあるんですが、今後もこのシリーズ続けてくれないかなぁ。いえね、博物館のキュレーターさんがかわいいのよ。この1冊で彼女の出番を無くすにはもったいないよなぁと思ってしまったわけで。
話の舞台は19世紀、ビクトリア朝時代のイギリスはロンドン。かつてそこで、両手両足にスプリングを仕込み、大きな跳躍とともに人々を驚かせたり悪戯や騒動を起こす怪人「バネ足ジャック」がいた。しかしいつの間にか行方をくらませていたバネ足ジャックが、3年ぶりにその姿を現す。しかし今度は、悪戯だけにとどまらず、猟奇殺人まで行うようになっていた。というお話。
怪人による猟奇殺人を皮切りに、都市伝説的な怪奇性を持ったミステリーなのか、と思いきや、事件を巡る刑事や容疑者を含めてドラマはゴリゴリと展開し、気づけば熱血アクションロマンになっているという具合。このへんの展開の巧さはさすがだよなぁ。
事件の真相というか、ミステリー的に言うところの「犯人」はけっこうあっけなく判明されるものの、そこから盛り上がってくるんですよ。
「バネ足ジャック」が生まれるに至ったエピソードから、放蕩貴族の秘められた恋、マッドサイエンティストの狂気、幸せな二人の行く末を阻む悪意の影…。などなど、物語を引き立てる要素がいろいろ詰まってまして。エンターテイメントとしてサービス満点で最初から最後まで飽きさせない内容になっております。
盛り上がりが最高潮に達したところで迎えるクライマックスも、いかにも王道的でかっこいいんだな。いろいろと工夫を凝らした展開を見せておきながらも、最後は奇をてらわず、しっかりとヒロイックに、かつ切ない愛の直球ストレートで、読者としても素直にカタルシスを受けられるようになっています。
長編ではないこともあり、非常にすっきりコンパクトに読めて面白い、という1冊。
あと表題本編が終わった後に、その後日談的エピソードも有り。これもなかなかかっちょよい。
それとそう、意外にちょっとしたところで女性キャラの露出度も高いんだよな。こういうとこでもサービス精神旺盛なのだ。
(ひょうたん書店通販ページ)
投稿者 bird_chief : 2008年01月08日 23:50
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